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【本のご紹介】記者、ラストベルトに住む トランプ王国、冷めぬ熱狂

こんにちは。なおみです。

 

豪雨や台風、酷暑など厳しい気候が続いていますね。

無理をしすぎないように、

冷たいものを摂りすぎず体調にも十分留意しましょう。

お子さんや高齢者の方など、周りの方の体調も気遣ってあげてくださいね。

 

 

空調の効いた涼しいところで読書などはいかがでしょうか。

今回ご紹介するのは、「記者、ラストベルトに住む トランプ王国、冷めぬ熱狂」です。

 

 

この本を手に取ったきっかけは、

なぜトランプ大統領がここまで受け入れられているのか、

選挙の時に実際にトランプを支持した層は、

どういう考えだったのかというのを知りたかったからです。

それに、日本にいると、ニューヨークやワシントンなどの

大都市経由のニュースは伝わってくるし、

自分で米国のニュースサイトを見ることもできますが、

それだけだと様々なバイアスがかかっていて、

見誤る事実もあると感じていたからです。

知ったつもりになってしまうこともあります。

 

実際、中西部には知人や友人はおらず、

本書を読むまで、現状はほとんど知りませんでした。

普段は訪れる機会はほとんどないエリアかもしれません。

 

数日前にも、米国で痛ましい乱射事件が2件また起きてしまいました。

そのうち1件がラストベルト、オハイオ州でのことでした。

ちょうどこの本を読んでいた最中でしたので、

背景が多少理解できました。

「米国での銃規制を求める動きと反発について」も本書では触れています。

 

この本の表題の「ラストベルト」とは、Rust Belt=さびついた工業地帯を意味する、主要産業が衰退した工業地帯を指す言葉です。

ミシガン州・オハイオ州・ウィスコンシン州・ペンシルベニア州などが含まれる地域です。

 

ラストベルトの労働者たちは、民主党を支持する傾向が強かったのですが、

トランプは彼らの一部の支持を取り込むことに成功し、

多くの専門家の予測を覆してラストベルト諸州で連勝したことで、

大統領の座をつかむことになったのです。

 

本書の著者、金成隆一さんは、新聞社のニューヨーク特派員ですが、

大統領選という「祭り」が終わった後のラストベルトを

「定点観測」するべく、オハイオ州にアパートを借りて(月額450ドル=約4万8千円)、住み込んで取材を続けました。

(地元の人たちにも心配されるほど、薬物の依存症で犠牲者が相次ぐエリアだったそうです)

その約2年間の取材成果の報告として本書を著されました。

通いの取材では見えてこない、細部への取材を心がけられたそうです。

 

現役の記者をされているので、文章が読みやすかったです。

取材にも臨場感があって、実際体験されていることですので面白くて、

2日ほどで読んでしまいました。

 

「写真で見る、トランプ大統領以降のアメリカ」という巻頭の

カラー写真からもよく現状が伝わってきます。

 

本書中で取材された男性の言葉を引用すると、

(大統領について)

「私はいつも『自分の暮らしにどんな影響があったのか』で評価するよ。

国際情勢のことはよくわかっていないかもしれないが、

自分の暮らしのことなら誰よりもよく知っている。

私は自分のポケットに何が入っているか、自分の銀行口座の状況をよくわかっている。それで態度を決めた。トランプで試してみた。

それは正解ではないかもしれないが、試す価値はあったと思っている。

現状維持だけはイヤだった」

という部分が印象に残りました。

 

トランプ大統領は6月に次期選挙への出馬表明をしました。

ラストベルトの有権者は次の選挙ではどのように判断するのでしょうか。

注目してみていたいと思います。

 

「BOOK」データベースからの引用

トランプ大統領を支持した人々はいま、何を思うのか?記者が労働者の街に暮らして浮かび上がってきた、もうひとつのアメリカ。

 

 

ご興味のある方はぜひお手にとってみてください。

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪

 

 

 

【本のご紹介】父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

 こんにちは。なおみです。

 

ここ数ヶ月、なかなか読書の時間が取れずにいましたが、

久しぶりにゆっくり読むことができました。

今回の本の紹介は、

「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」です。(タイトル長いですね(;^_^)

 

 

著者は、ヤニス・バルファキスさんです。

2015年のギリシャ経済危機時に財務大臣を務められていた方です。

想像も付かない激務だったことでしょう。

 

ヤニスさんは、当時ギリシャがEUから財政緊縮策を迫られるなか、

大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題になりました。

 

現在はアテネ大学で経済学教授を務められています。

 

本書は、父がティーンエージャーの娘に向けて、

シンプルに経済について語るという体をとっている本です。

 

使われている言葉は平易ですが、読み進めていくと、

資本主義に関して本質的に考えさせられるところがあります。

 

産業革命を経て工場ができ、工場労働者が生み出され

大量生産が可能になり、人間の労働が機械やAIに替えられる。

はたして人間はどこに向かっていくのでしょうか。

 

特に、第6章 恐るべき「機械」の呪い

‐自動化するほど苦しくなる矛盾 の章は興味深かったです。

 

著者がギリシャの方なので、

ギリシャ神話での神々のエピソードも織り込んで説明しています。

蝋燭の翼を作ったが太陽に近付きすぎて、エーゲ海に墜ちたイカロス。

 

このイカロスのような落とし穴は、市場社会にも例えられています。

 

プロローグは「経済学の解説書とは正反対の経済の本」との記載から始まります。

目の前の混乱から離れて世界を見つめ直したいというのが

本書を著したきっかけの1つとのことです。

 

もともとは母国語のギリシャ語で書かれた本が、

英語に翻訳され、日本語に訳されたようです。

翻訳がとても読みやすいなと思って読んでいたら、

それもそのはず、ファクトフルネスを訳された関美和さんの

翻訳でした。

 

 

www.healthwealth-info.com

 

 

違った角度から、

現代社会の格差、市場社会の誕生、金融の役割や資本主義の歴史と功罪を

考えてみたい方にはオススメです。

 

 

それでは、お読みいただきありがとうございました♪