【本のご紹介】父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
こんにちは。なおみです。
ここ数ヶ月、なかなか読書の時間が取れずにいましたが、
久しぶりにゆっくり読むことができました。
今回の本の紹介は、
「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」です。(タイトル長いですね(;^_^)
著者は、ヤニス・バルファキスさんです。
2015年のギリシャ経済危機時に財務大臣を務められていた方です。
想像も付かない激務だったことでしょう。
ヤニスさんは、当時ギリシャがEUから財政緊縮策を迫られるなか、
大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題になりました。
現在はアテネ大学で経済学教授を務められています。
本書は、父がティーンエージャーの娘に向けて、
シンプルに経済について語るという体をとっている本です。
使われている言葉は平易ですが、読み進めていくと、
資本主義に関して本質的に考えさせられるところがあります。
産業革命を経て工場ができ、工場労働者が生み出され
大量生産が可能になり、人間の労働が機械やAIに替えられる。
はたして人間はどこに向かっていくのでしょうか。
特に、第6章 恐るべき「機械」の呪い
‐自動化するほど苦しくなる矛盾 の章は興味深かったです。
著者がギリシャの方なので、
ギリシャ神話での神々のエピソードも織り込んで説明しています。
蝋燭の翼を作ったが太陽に近付きすぎて、エーゲ海に墜ちたイカロス。
このイカロスのような落とし穴は、市場社会にも例えられています。
プロローグは「経済学の解説書とは正反対の経済の本」との記載から始まります。
目の前の混乱から離れて世界を見つめ直したいというのが
本書を著したきっかけの1つとのことです。
もともとは母国語のギリシャ語で書かれた本が、
英語に翻訳され、日本語に訳されたようです。
翻訳がとても読みやすいなと思って読んでいたら、
それもそのはず、ファクトフルネスを訳された関美和さんの
翻訳でした。
違った角度から、
現代社会の格差、市場社会の誕生、金融の役割や資本主義の歴史と功罪を
考えてみたい方にはオススメです。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪