【本のご紹介】 FACTFULNESS ファクトフルネス
こんにちは。なおみです。
今回はファクトフルネスという本です。
新聞の広告や、雑誌のなかの本の紹介のコーナーでよく見かけていて、
面白そうだなと思っていた本です。
橘玲さんが好きで著書をチェックするのですが、
「よく一緒に購入されている商品」の欄にこの本が出ていたこともあるので、
印象に残っていました。
またブログで交流させていただいている方からも
読んでみて面白かったからぜひ、とオススメされた本でもあります。
ありがとうございます😊
マイクロソフト創設者の、ビル・ゲイツ氏は
毎年夏の読書リストを公開することで知られていますが、
2018年には、本書「ファクトフルネス」もそのリストに含まれていたようです。
その他では、書籍「スティーブジョブス」の著者であるウォルター・アイザックソンによる「レオナルド・ダ・ヴィンチ」といった教養書に分類されるような本や、
ジョージ・ソーンダースの「リンカーンとさまよえる霊魂たち」などを挙げています。バランスを取った選書をしているようですね。
いずれもその年の新書や話題の本を選んでいます。
ジョージ・ソーンダースは面白そうなので、
さっそく私の読んでみたい本のリストに入れました。
本書「ファクトフルネス」の著書ハンス・ロスリングさんは、
スウェーデンのウプサラ出身の医師で、
残念ながら2年前に他界されていますが、
公衆衛生の専門家として、エボラ出血熱などの疾病とたたかい、
途上国の衛生状態の改善に尽力された方です。
後にスウェーデンでの「国境なき医師団」を設立されました。
息子のオーラ・ロスリングさんと、
その奥さまのアンナ・ロスリングさんとの共著となっています。
本書では、世界のさまざまな衛生・教育水準などについての
国連の統計のような信頼性の高いデータに基づいた事実を
クイズにして示しています。
専門家、ノーベル賞受賞者なども含め、ほとんどの人が
正解できなかったようです。
もちろん私も、かなり外していました。
その背景には「世界はどんどん悪くなっている」という
バイアスのかかった思い込みがあるということです。
本書のサブタイトル
「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」についても
ページを割いて説明されています。
個人的に印象深かったのは
「こちら側」と「あちら側」の二項対立からの、思考停止状態についての部分です。
ハンス・ロスリングさんが教授として医学部の学生を指導した(非常に優秀な大学です)エピソードの部分が、ある意味衝撃的でした。
スウェーデンでは、
平等性、透明性など重視したリベラルな教育がなされていると思っていたからです。
(これも私のバイアスのかかった思い込みの1つかもしれませんが)
学生たちは「あちら側」の国の人々に対しては、
自分たちとは違うので関係ないという思考に固まってしまっているのです。
このことは人間が持つさまざまな本能、
本書でいうところのバイアス「分断本能」「過大視本能」
「ネガティブ本能」「恐怖本能」などを考えると、仕方のないことでもあります。
だからこそ信頼のおけるデータを見ることが、
世界を知るのに不可欠であると本書では説いています。
誰にでもある世界観の歪みは一朝一夕になおるものではありませんが、
「ファクトフルネス」のような本で、
データに基づき正しく世界を読み解く習慣をつけて、
一歩立ち止まり自分の判断に客観的な視線を持ちたいなと感じさせられました。
データから「地球全体を大きな目で見れば状況はよくなっている」ということですので、
読んだ後の気分はとてもよく、癒される気分にさえなりました。
翻訳もとても読みやすいです。
訳者は、上杉周作さん、関美和さんです。
シリコンバレー在住の上杉さんの本業はエンジニアで、
本の翻訳は初めてだそうです。
本書の翻訳本ができるまでを上杉さんが紹介していらっしゃいます。
今、とても売れている本ですので、全国の書店でも見かけると思います。
ぜひお手にとってみてください。
それでは、お読みいただきありがとうございました♪