心身を健やかに保つために不可欠な3つの要素「気・血・水」~「気」編
こんにちは。なおみです。
「気」「血」「水」とは、漢方の基本理論のひとつで
私たちの生命活動を維持するために不可欠な3つの要素とされています。
「気」は生命エネルギー、
「血」は血液とその働き、
「水」は血液以外の体液(津液:しんえき ともいいます)です。
この「気・血・水」は互いに助け合い、密接に関係しながら、
全身をめぐり、生命活動を維持しています。
これらがバランスよく満たされて、働きがしっかりしている状態が
「病気にならない体」ともいえます。
気・血・水が不足したり、めぐりが悪くなったりすると
「バランスを崩していますよ」という警告が、
心や体に不調のサインとしてあらわれてきます。
時にはゆっくりと自分の身体の声を自分で聴いてみて、
不調のサインを早めにケアできるといいですよね😊
今回から「気」「血」「水」の3回に分けて、
それぞれを掘り下げてみたいと思います。
第1回目は、「気」についてです。
「気」とは
「気」は、生命力の基本で、「元気」や「やる気」の気です。
気力や精気という言葉に代表されるエネルギーで、
体中をめぐることで、内蔵を動かし、血液を循環させ、免疫力を働かせます。
気は目には見えないけれど体内に満ちている
生命活動・機能の原動力で、体温の調整も担っています。
気は、両親からもらい生まれつき備わっているもののほか、
食べ物や呼吸からも得ることができます。
気が不足してしまった状態を「気虚 ききょ」
気のめぐりが悪くなってしまった状態を「気滞 きたい」といいます。
気が不足している状態:「気虚」
もともとの体質や疲労、食生活の乱れによって気が不足した状態の「気虚」になると、
食欲不振や息切れ、倦怠感がでてきて、
考えてもしょうがないことを考え続けてしまい、抑うつ状態になることがあります。
怒る元気もなく、くよくよとして自分を責めてしまうのが特徴です。
西洋医学では「不安障害」や「うつ病」という診断になることもあります。
具体的な自覚症状は、
疲れやすく、体力がない
風邪をひきやすい、寒がり
少し動くと息切れがする
汗をかきやすい
舌が白っぽく、下の縁に歯の痕がついている
食欲がわかない、胃下垂気味 などがあげられます。
「気虚」の場合の養生法
ライフスタイル
- 早寝早起きで気を補う
過労、睡眠不足、朝食抜き、激しい運動、病気による体力消耗などは
気虚の原因になります。
気は朝作られると考えられています。
夜はなるべく早く寝て気を補いましょう。
食事の改善
- 朝食抜きは厳禁で、規則正しく、体を温める食事を
気を補うためにも朝食はしっかりと食べましょう。
(体内時計の調整にもなります)
胃腸の機能を高め、気を補う穀類、いも類、豆類をよく噛んで食べましょう。
体を冷やす食べ物は控えましょう。
おすすめ食材
キビ、粟、玄米、そば、大豆、とうもろこし、かぼちゃ、
えだまめ、いも類、りんご、ぶどう、なつめ、
うなぎ、鮭、鶏肉、牛肉、牛乳など
気が滞っている状態:「気滞」
気の流れが滞り「気滞」の状態になると、
のどがつまって息苦しくなったり、ため息が増え、
お腹にガスがたまったりします。
不安が強くなるのも特徴です。
便秘と下痢を繰り返し、ゲップや胃もたれも出やすくなります。
気滞になると、相手を思いやるよりも、自分を主張して他人を責める傾向が強く出ます。
西洋医学では「境界型人格障害」や「適応障害」という診断がつくこともあるでしょう。
具体的な自覚症状は、
気分やふさいで、憂鬱になりやすい
のどや胸がつかえる
ため息をよくつく
お腹がはっていてガスがたまっている感じがする
便秘・下痢を繰り返す
月経前にイライラして過食気味 などがあげられます。
「気滞」の場合の養生法
ライフスタイル
- ストレスをためない工夫を
ストレス過多、不規則な生活などは気滞の原因になります。
お好きなアロマでリフレッシュするのもいいですね。
食事の改善
- 食材の種類を多く、香りのよいものを取り入れて
少量ずつ、なるべく種類を多く食べましょう。
しそやセロリ、ニラなどの香味野菜やハーブ類を上手に利用しましょう。
おすすめ食材
小松菜、春菊、セロリ、しょうが、ニラ、菊花、しそ、みょうが、ハーブや香味野菜、みかん、ゆず、こしょう、ミント、ジャスミンなど
漢方薬を用いる場合
気虚の場合、
漢方薬は「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)[医王湯と呼ばれ効果も高いが、副作用も出やすいので注意]や
「四君子湯(しくんしとう)[こちらは気を補う基本処方で副作用がでにくくマイルド]」が用いられます。
気滞の場合、
漢方薬は「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、
「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などが用いられます。
くわしくは、漢方医や薬剤師にご相談ください。
自分で自分をメンテナンスし、養生の実践を積み重ねて、
昨日よりも今日・明日、去年よりも今年・来年と、
より健康な状態へ向かっていきたいものですね😊
それでは、お読みいただきありがとうございました♪